野原や植物園などを歩いていると赤い花がまず目に入ってきます。そしてそれに引き寄せられるように近づきレンズを向けてしまいます。花は決して人に見せるためにこの色をしているわけではないのですが、なぜかわれわれ人間には強い魅力を感じさせます。しかし実際に作品として仕上げるには、他のどの色よりも手ごわい相手で、意図した表現効果が得られない場合が多いのも事実です。
この「赤」の攻略法には、画面の中を赤色一色だけで統一するものと、他の色との組み合わせによって色を際立たせる方法が考えられます。前者は花にできるだけ近づき、ファインダーの隅々をよく見て他の色が一切入り込まないようにフレーミング。そして花芯部やシベなど、作者がもっとも魅力を感じた部分にピントを合わせます。この場合、絞りを開けて写すとそのポイントとなる部分だけが浮かび上がり、同一色の中にあってもメリハリのある画面にすることができます。

後者は色の組み合わせなので、赤をどの色と合わせたらもっともその赤が引き立つかを考えなくてはなりません。基本的には赤よりも強い色は避けること。白、黄色、ピンク、グリーンなど淡い感じの色彩を選ぶのがポイントといえます。なかでもグリーン系はもっともよい相性を見せるので、今回の「魅力の赤」ではそのグリーンとの組み合わせによって、赤の美しさをさらに強調した作品でまとめてみました。

ここで使用したSP AF90mm F/2.8 Diは、操作性のよさはもちろん、非常にヌケがよく、その場に流れている風や花の香りまでも写し込んでくれるような描写をするところが気に入っています。また、ボケの美しさは他のレンズとは比較にならないほどの素晴らしさを持っている点も、得がたい魅力のひとつです。

このマクロレンズは接写以外のあらゆる被写体にも対応可能ですが、特に花に対しては最高の仕上がりを約束してくれるので、私はこのレンズを手放すことができないのです。