今年の夏、5泊6日で槍ヶ岳の撮影に出かけた。フィルムカメラにはタムロンのAF28-300mm F3.5-6.3、デジタルカメラには同じくAF18-200mm F3.5-6.3を選んだ。車での撮影と異なり、持てる荷物に限りのある山岳では、高性能で軽量コンパクトな機材が求められる。その点、デジタル専用設計のAF18-200mmレンズは35mm換算で28mmから300mmまで、一本でカバーできるので機材の軽量化につながり、足取りも軽く撮影を楽しむことができた。
さて、山岳撮影ではレンズに求められる性能は、かなりシビアなものである。朝日夕日など光が魅力となる被写体も多く、ゴーストやフレアの少ないクリアーさが必要である。また、広い山の風景を撮る場合には岩や木々が高解像度で描写されてこそ、その臨場感が増してくる。さらに、高山植物の撮影では最短撮影距離が短く、なおかつ近接でも画像劣化の少ない安定した性能が求められる。ここに展示した作品を見ていただければ、これらの性能について十分満足ゆくものであることが分かるであろう。

さらに、広角から望遠まで一本で済むため、レンズ交換が不要でさまざまなシャッターチャンスに対応できることは大きなアドバンテージと言える。山頂での撮影では好条件時に恵まれるとたくさんの被写体が見つかり、レンズ交換する時間すらもったいないと感じることが多々ある。今回も、広い山風景から稜線や雲海、部分のアップなど、光の変化に神経を集中できるので余裕を持ってフレーミングを決めることができた。もちろん風景だけでなく高山植物や雷鳥のアップなど、山で出くわす被写体のほとんどに対応できるので、まさにオールマイティに安心して使えるレンズと言えるだろう。