人と自然を繋ぐもの

信州に生まれた私は、幼少の頃より自然の中での遊びに親しんだ。冬は裏山へスキー、夏は湖や渓流で遊んだりと周囲の環境が私を常にアウトドアへと導いてくれた。90年代、アメリカから巻き起こったスノーボードムーヴメントは音楽やファッション、グラフティーなどがクロスオーバーされ、それまでに無かったワイルドな遊びとして、若者を中心に世界に広がっていく最中にあった。すっかりその世界に魅力され、今日までボードカルチャーの潮流を日本や世界に出かけて撮ることで、自分の道を歩んできた。スノーボードが仲間や自然との繋がりを更に深め、写真が世界への扉を開けたのだ。自然に学んだ事は多く、アウトドアカルチャーも同様に、自由を求め「人間の解放」という同じ根の広がりであることを感じさせてくれる。

今回はそんな遊びの場にカメラを持ち込んだ。このTAMRON 10-24mm F/3.5-4.5の機動性とその焦点領域が日常の出来事をカバーしてくれると直感したからだった。マットで落ち着いたルックスはどんな場面にも馴染みやすく、周辺部までシャープな超広角は自然のスケールを余す事無く写しとる。またスナップ撮影に適した35mmをカバー(35mm換算)する為、意図した被写体を浮かび上がらせる事が出来るのだ。このレンズ1本をバックパックに入れて遊びの中に持ち歩く、そんなスタイルがしっくりとくる。また、ズームレンズの進化を改めて感じ、その描写力と機動性から生まれる写真が増々面白くなる事を予感させられるのだ。

私の活動は自然と人々を繋ぐ者として、持続可能な未来にむけ感動や自由を作品から共有していくというところにきている。社会が複雑に発展していく中で無償のエネルギーを放ち続けるアートの存在は国籍やジャンルを超えて、時代とミックスできる手段だと感じている。アートはより身近に小さなモノでもいい。もっと自由に老若男女が芸術と触れ合うべきなのだ。例えばその一つが写真であり、日常を切り撮るカメラであったら嬉しいことだ。