今回は花をさまざまな視点で見つめ表現する岡本 洋子さんの登場です。

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清々しいソバの花

花の写真を撮っていると、「花」って見た目以上によく撮れないんです・・・というご意見をよく耳にします。花はきれいなだけに、見た目以上にきれいに写ってないと、あれ?こんなはずじゃなかったのに、ということになりがちです。人間の目って便利なもので、意識した部分だけを都合よく脳の中でイメージ化して見ているようです。それに比べカメラはリアルな現実を全部写しますから、主題の周りや背景のことまで意識していないと、美しくないものまでありのままに映ってしまうのです。

12年の会社勤めの後、渋谷にある写真の専門学校に通い、縁あって当時校長だった故・秋山庄太郎先生のスタジオで勉強することができました。秋山先生は晩年、花の写真をライフワークにして、アマチュアカメラマンに身近な花の写真の魅力を広められました。

先生は特に教えてくださるわけではありませんでしたが、メインの被写体以上に背景を大切に撮影されていました。先生の著書の中に、背景8割、被写体2割という言葉が出てきます。最初はどういう意味かわからなかったのですが、主役がきれいなことは当たり前で、それ以上に背景に気を配りなさいということでした。


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ヒガンバナを背景にツルボの花

その後、自分で花の写真教室を開催するようになって秋山先生のこの言葉を生徒さんに説明すると、毎回画面の隅っこにチョコッとだけ花を配置して残りはほとんど背景というフレーミングをされる方がいて、どうしたのかしらと思って聞いてみると、どうも8割と2割の意味を画面に占める割合だと勘違いされていたようです・・・。

最近では花や植物のアップだけではなく、花の咲いている周囲の状況も含めたたたずまいや植物の持つ造形を撮るのも面白くなってきました。花には美しい花色があって形も千差万別です。花が終わった後の枯れた状態や実や種の状態になると色がないぶん、造形の面白さが見えてきます。冬枯れの草原で面白い形の植物を見つけると思わずレンズを向けています。通りがかりのアマチュアカメラマンの方に、よく「何を撮っているのですか?」と不思議がられます。


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冬枯れのアジサイの残花

花や植物を撮るときはボケが柔らかくきれいな望遠レンズや接写ができるマクロレンズがかかせません。なかでも、タムロンのSP AF 90mm F/2.8 1:1マクロレンズはもちろんのこと、望遠ズームレンズのAF70-300mm F/4-5.6 1:2もマクロ側での最短撮影距離が95cmと短く、どちらも花の撮影になくてはならない便利なお気に入りレンズとなっています。