高性能・高解像を最優先させた、究極の超広角ズームレンズ
周辺域までクリアな表現が生きてくる
高度な設計思想を反映したタムロンの最高峰、SP(Super Performance)レンズに、待望の超広角ズームレンズ15-30mmが登場。視覚を越えた圧倒的なパース効果で雄大な風景をよりダイナミックに表現できる15mmの広角端はもちろん、焦点距離30mmまでの全域において極めて高い描写力を実現しました。
単焦点レンズに劣らない高解像を超広角ズーム域で達成するために不可欠だったのが、収差を徹底的に補正するXGM(大口径ガラスモールド両面非球面)レンズです。この大型レンズの製造技術を確立したことで、15-30mmが誕生したと言っても過言ではありません。また、細部まで磨き上げたレンズ性能を余すところなく発揮するために、フルサイズの大口径F/2.8超広角ズームレンズとしては世界で初めて、手ブレ補正機構を搭載。妥協を許さない光学性能の追求と表現者の立場に立ったディテールへのこだわりが結晶した、革新のハイスペック・ズームレンズです。
圧倒的な描写力を実現

レンズ構成は、13群18枚。最高峰のズームレンズを実現するための新たな挑戦として、極めて大型のXGM(eXpanded Glass Molded Aspherical:大口径ガラスモールド両面非球面)レンズの製造技術を確立。さらに複数のLD(Low Dispersion:異常低分散)レンズをあわせて適切に使用することで、広角域で目立ちやすいディストーション(歪曲収差)や倍率色収差などの発生を効果的に抑制し、焦点距離15mmから始まるF/2.8 超広角ズームレンズとしては最高クラスの光学性能を叶えました。
XGM (eXpanded Glass Molded Aspherical):
大口径ガラスモールド両面非球面レンズとは
超広角系ズームでの大きく変化する画角に対して効率的な収差補正が可能となり、特にディストーションや周辺の解像感を向上するのに大きな効果を発揮しています。また、ガラスモールドという製法により複合非球面レンズよりも自由度の高い形状を成形することができ、収差補正やサイズの小型化等へ効率よく機能しています。

ナノテクノロジーを駆使したeBANDコーティング(Extended Band width & Angular-Dependency Coating)は、超広角域で発生しがちなゴーストやフレアーの原因となる、斜めからの入射光の反射を効果的に抑制し、ヌケのよいクリアな画像を実現します。また、定評のあるタムロン独自の新BBARコーティング(Broad-Band Anti-Reflection Coating)の反射防止性能を更に改善し、徹底的にゴーストやフレアーを抑えた写りを実現しています。

広角レンズでも効果的に手ブレを抑えたいというご要望にお応えし、世界で初めて大口径F/2.8超広角ズームレンズに手ブレ補正機構を搭載。タムロン独自開発の手ブレ補正機構「VC(Vibration Compensation)」は、低照度下での低速シャッター時はもちろん、画像劣化の原因につながるわずかな手ブレも精度よく補正します。あらゆる撮影シーンにおいてレンズの光学性能を最大限に発揮することができる、高画質撮影には欠かせない機能です。
3つのセラミックボールを介して、3つの駆動コイルが補正光学系を電磁的に駆動する「3コイル方式」を採用。安定性に優れ、摩擦抵抗の少ない滑らかな動きを可能としています。また、A012にVCを搭載するにあたり、VCユニットの設計をF/2.8の大口径超広角ズームレンズに最適化しました。
F/2.8の大口径超広角ズームレンズに手ブレ補正機構を搭載する際にレンズ鏡筒が大型化しないよう、VCユニットを小型化。レンズごとにVCユニットを専用設計し、最適化しています。

左:防汚コートなし
右:防汚コートあり
タムロンの産業用レンズで培った防汚コートの技術を、カメラレンズに初めて採用。丸みを帯びた大口径の最前面に撥水性・撥油性に優れたコーティングを施すことで、レンズ面に付着した汚れのクリーニングも手軽に行えます。

マウント部分をはじめ、レンズの各箇所に内部へ水滴が侵入しにくい構造を採用しています。

静粛性に優れ、高トルク・高レスポンスでスピーディなピント合わせが可能です。

高い設計仕様に基づいた、「SP」レンズに相応しい、高耐久性と操作感を兼ね備えています。
ズーム及びフォーカス機構においては、高倍率ズームレンズで培った複雑なカム機構構造を活かし、頑強な金属(アルミ合金)素材を基幹部品に採用することで、高度な加工技術と組合せ精度を維持しながら、経年劣化の少ない精密感に満ちたボディに仕上げています。また、ズームリングは絶妙なカムレイアウトにより、トルク変動の少ないスムーズな操作感触を実現。ピントリングはUSDに最適化した保持機構の採用により、MF時にしっとりとしたトルク感が得られます。
さらに、一体型のレンズフードは、落下など、万が一の物理的な衝撃に備えて新たに開発されたズーム連動式の二重フード構造を採用。レンズフードの損傷を極力軽減できるよう十分な配慮をしています。

ワイドからテレへのズームに伴って前群が後退する光学系の特徴を利用し、テレ側でも効果的な遮光が期待できるフード設計としました。
(写真左) ワイド側 15mm 時
(写真右) テレ側 30mm 時
テレ側で前玉が奥に引っ込む光学系を採用したため、相対的にフードが深くなり、遮光効果が向上しています (写真右)

最新の光学設計により、歪曲収差や倍率色収差など、超広角レンズで目立ちやすいレンズの諸収差を高度に補正。凹レンズのLDレンズを採用することで特に倍率色収差を徹底補正しています。これにより、高解像力でクリアーな描写を実現し、高画質なワイド表現が可能です。

遠景撮影時に絞り開放から驚異的な高解像、高コントラストを実現しました。

近景の撮影時でも同様に、絞り開放から驚異的な高解像、高コントラストを実現しました。

高いシャープネスとコントラスト性能は、被写体の細部まで緻密に描き分け、優れた像再現性は、周辺部においても点光源を乱れることなく「点」として表現します。画面全体で高い解像感が求められる、風景撮影や夜景・天体撮影にも最適な1本です。
周辺の写りを考慮した本レンズ。一目瞭然の突出した前面レンズは、特に周辺光量の低下に配慮して曲率の深いレンズとなっています。絞り開放でも、周辺光量の低下を感じさせない写りを実現しました。
大口径F/2.8をいかした超広角ズームのボケ表現

大口径F/2.8であることによって、超広角ズームであっても背景を大きくぼかした表現が可能です。背景の形を残しながら緩やかにぼかすことによって、周囲の状況を説明しながら被写体の立体感を際立たせた表現ができます。ズーム全域で最短撮影距離が28cmを達成。超広角域と最短撮影距離を組み合わせて、ワイドマクロの写真を楽しむことも可能です。

9枚の絞り羽根が、絞り開放から2段絞り込んだ状態まで、ほぼ円形の形状を保つ「円形絞り」を採用。絞り込んだ状態でもやわらかなボケ味を保ちます。

超広角ズーム域を網羅しながら、望遠端を30mmとしたことで風景の撮影だけでなく、スナップを楽しむことができます。
広角端は、視角を超えた圧倒的なパースペクティブを表現できる焦点距離15mm。望遠端はスナップ撮影にも便利な馴染みやすい画角の焦点距離30mm。画質を維持しながらズーム比を2倍とすることで、超広角域による強調表現と準広角による自然な表現を両立。ズームレンズの利便性を活かせるように配慮しています。
外観デザイン
製品情報
製品仕様
モデル名 | A012 |
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焦点距離 | 15-30mm |
明るさ | F/2.8 |
画角(対角画角) | 110゜ 32' - 71゜ 35'
(35mm判フルサイズ一眼レフカメラ使用時) 85゜ 52' - 49゜ 54' (APS-Cサイズ相当デジタル一眼レフカメラ使用時) |
レンズ構成 | 13群18枚 |
最短撮影距離 | 0.28m(全ズーム域) |
最大撮影倍率 | 1:5(f=30mm時:最短撮影距離0.28m) |
フィルター径 | 装着不可 |
最大径 | Φ98.4mm |
長さ*1 |
キヤノン用:145mm
ニコン用:142.5mm |
質量 |
キヤノン用:1,100g
ニコン用:1,100g |
絞り羽根 | 9枚(円形絞り*2) |
最小絞り | F/22 |
標準付属品 | かぶせ式レンズキャップ、リアキャップ |
フード | 一体型フード(花型・ズーム連動式) |
対応マウント | キヤノンEFマウント用 / ニコン用 / ソニーAマウント用 *3 |
希望小売価格 | 140,000円(税抜) |
仕様、外観、性能等はお断りなく変更する場合があります。
*1 長さ:レンズ先端からマウント面まで。
*2 絞り開放から2段絞り込んだ状態まで、ほぼ円形の絞り形状を保ちます。
*3 ソニー用は、ソニー製デジタル一眼レフカメラがボディ内に手ブレ補正機能を搭載しているため、
手ブレ補正機構「VC」は搭載していません。
発売日について
キヤノン用/ニコン用:2014年12月25日
ソニー用:2015年12月24日