僕はもう10年もベトナムに通っている。ベトナムのさまざまな場所に行った。昨年からは北部、中国国境付近の、少数民族が住む土地に通っている。海外での撮影は、なるべく荷物を少なくすることが肝心だ。撮影機材も最小にしたい。そんなときにタムロンのコンパクトズーム28-75mm F/2.8 XR Diは、スナップ写真の決定版レンズだ。特に人間に焦点をあてたスナップ写真ならば、この一本でほとんどの場面に対応できる。
今回の写真はハノイから寝台列車で10時間、中国国境の町ラオカイから車で3時間にあるバクハという、花モン族が多く住む土地だ。花モン族の衣装は世界で一番美しい衣装かもしれない。赤やピンクは幸運の色だ。そのすべてが手作りだ。今では市場で買い求めることもできるが、多くの人たちは自分の衣装は自分で作っている。かつては一年中着替えることもなかったらしい。

28-75mm F/2.8は、旅の万能レンズだ。しかもF2.8の開放値は、作画の自由度もある。デジタルカメラ時代になり、感度調節も自在だ。日中の明るい時間ばかりではなく、夕方、日没後も、そしてストロボを使用しない室内でも積極的に撮影できる。そんなときF2.8大口径レンズの開放撮影は大きな武器になる。

望遠側75mmで開放撮影をする。ズームレンズとは思えないような空気感のある素直なボケあじのある写真が撮れる。

28mmのワイド側は、背景を生かした撮影が向いている。ワイドレンズはパンフォーカスで撮るのが普通だが、28mm F2.8開放でポートレイト撮影も面白い。

僕はいつもカメラを持ち歩いている。ただ一眼レフカメラはただでさえ大きい。そんなとき、本格的な作画もできるこのコンパクトな明るいズームレンズがあれば、これ一本で済む。かつて僕は短焦点レンズしか使っていなかった。しかしこのコンパクトなズームがあればこれ一本でぶらぶらと歩いて写真が撮れる。