F2.8クラスのズームは、大きくて重いのが当たり前だと思っていた。それがタムロンの28-75mmでは、ひとまわり以上の小型化。この差は使ううえで大きい。 これまでは、あのビッグサイズを克服してこそ高画質が得られるものと我慢していたけど、これなら持ち運びも苦にならない。このレンズは大口径クラスに携行性のよさを持ち込んだ点で画期的だ。
そうなると気になるのが、描写性能のほうだが、この面でも心配することはない。「SP」の称号が付くように、タムロンの高性能グループの1本である。適度なコントラストと繊細な線描写はハイコントラストでシャープネスを求めがちな普及タイプとは一線を画する。 絞り開放から実用範囲内だし、広角側28mm時の周辺描写のよさは水準以上のものである。

コンパクトなわりに手にした際に感じる重み。これが描写性の高さに繋がると思うと、なんとも心地よい。適度な重さがボディーバランスをよくし、低速シャッターでの制御も安定する。実用レベルの絞り開放描写と相まって暗い場所等、手持ちでの稼動範囲も広い。さらに最短33センチまで寄れるから、これ1本でかなりの撮影がこなせる。

テレ側が75mm止まりの点にちょっと物足りなさも感じるが、70-200mmクラスの望遠ズームと組みあわせればさして気にするほどでもない。使ってみれば、標準ズームに求められる常用性にもっとも適うレンズであることがわかる。