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梅雨の明けた7月、西表島は熱い日差しが降り注ぐ。18日間の取材の相棒としてタムロン18-270mm F/3.5-6.3 Di II VCレンズを携えて森の中を彷徨った。西表島に整備された遊歩道は数少なく、ほとんどの撮影は獣道のような頼りない道を進むことになる。道がなければカヌーで川を遡り、滝やサガリバナの群落を目指した。

首から18-270mmレンズを下げ、被写体を探しながら進む。蒸し暑い森の中ゆえ、軽量コンパクトなレンズがありがたかった。ほとんど人の入らない山道ではサキシマキノボリトカゲやセマルハコガメ、オオゴマダラなどの生き物たちとの出会いも少なくない。とっさの出会いでも素早く対応できるのがこのレンズの大きな魅力である。最短撮影距離49cmを活かして近づいてもよし、270mm望遠域を活かして離れたところにいる生き物を狙うこともできる。絞り開放にすれば思いのほか自然なボケを得ることができる。

そして雄大な風景に出会ったら、三脚を立ててきっちりと撮影することを心がけた。これは高倍率ズームでも一般のレンズでも変わりはない。精緻な描写が求められる風景撮影でブレてしまったらせっかくの性能も台無しだからだ。お手軽な高倍率レンズであってもお手軽に使ってしまってはもったいない。西表島のように薄暗い森の中の撮影では手ぶれ補正があるという甘えもレンズの性能を半減させてしまう。しっかりと丁寧に撮ってやることで高倍率ズームとは思えないほどの精緻な描写を引き出せるのだ。

なかでも朝夕のダイナミックな景観は自然風景撮影の醍醐味のひとつ。そんな時こそコーティングを含めたレンズの逆光性能が試される。レンズ構成枚数の多い高倍率ズームはゴーストやフレアの発生という面では不利なはずだ。とはいえ、さまざまな場面で朝日・夕日を撮影したが、顕著なゴーストやフレアの発生はなく、とてもクリアな仕上がりだったのが印象的である。このあたりも自然風景向きのレンズとして大きく評価できるポイントだ。